第9回サス研サロン 講演テーマ

「欧州都市型の持続可能なまちづくり」その批判的考察
 
〜バルセロナの事例を紹介しながら〜

講師:岡部明子氏
 
(千葉大学工学部デザイン工学科都市環境建築計画講座 助教授)
日時:2005年10月6日(木) 18時半より
場所:戸田建設8階プレゼンテーションルーム

 サロンの様子

18時30分〜

 講師紹介

岡部さんは、現在、千葉大学工学部助教授で、建築・都市デザイン、都市政策、地域政策がご専門。サステイナブルシティ、公共空間、EUレベルの政策プロセスと地域を研究テーマとされています。 主な著書: ・ @サステイナブルシティ、 EUの地域・環境戦略(2003,単著) ・

19時〜20時

 講 演

バルセロナで建築家として働いた経験を通して感じた、 欧州の地理的結びつき、人々が帰属していると思える場所を 創り出すことの大切さを建築家の視点から、スライドを混ぜて ご紹介いただきました。
「バルセロナでは、貧富の格差の拡大、それによる街の拡散なども現在進行 形で進んでいました。そこで、市民参加を促すような創意工夫をしながらまちづくりを行ない、サステイナビリティの輪は壊さない努力をしていました。」
「日本において、まちづくりを行う際に気をつけていきたいことは、欧米のまちづくりと比較することだけでなく、足元にある社会的格差やニートの問題などそういう国内の身近な課題とまちづくりを切り離して考えないで、課題を点で捉はなく面として捉え、課題解決の具体的な方法を導いていくことが大事」とのお話でした。

20時〜21時

 意見交換と懇談

「欧州のまちづくりの中でも紹介しましたが、行政の役割は、無意識でいる人たちが自覚的に参加できるような場をつくっていくことが必要です。もっと地域に出かけてまちを活性化させること、例えば昼食は地元のお店で食べるとか、新しい庁舎を建てる際には、空き店舗に必要部署を設置するなど、まちの中をもっと歩いてニーズヒアリングをした方がいいのではないでしょうか」との岡部先生のお話をきっかけに意見交換が始まりました

 参加者の声

◎行政の人が「広報してるけど集まらない」という。 行政が唯一正しい計画をたてられるわけではなく、 住民との対話を重ねながら、まずは必要な人のところへ、 必要な情報が提供されるよう工夫することではないか。 ◎サロンで岡部先生や参加者のみなさんのお話を聞くことで、いろんなサステイナビリティがあるということを知りました。